『 小振りでも　背筋はピーン！　三寒四温の　あやめさん 』　2013年５月号

今年も我が家のあやめが、ポツラポツラ咲いた。昔は紫色で大振りだったが、年々小さくなり、土壌が悪いのか白い花しか咲かなくなった。たまには描かせてもらおう。と、筆を持つ。…しまった、この花は描きずらかった、と、描きはじめてから思うも、始めたものはやめられない。白を浮き立たせようとバックを青くしたが、浮かない気がして、花を黄色く塗ってみた。三寒四温の春の中で、あまりにも激しい寒暖差に右往左往する人間を“くすり”と笑い諌めるように、あやめはピーンと背筋を伸ばし動じない。雨の日も晴れの日も雪の日も嵐でも、一年中その場を動くことなく佇む草木はすごいと思う。花が終わればまた来年、花咲かすために一年を生き抜く逞しさがそこにある。


今回は短い拙文だが、書けないものは仕方ない。
これで、お・し・ま・い。
絵を描いたのは５月７日。拙文を書いたのは５月２７日。
ハナミズキの花に見えるのは、花でなく、ガク｛正しくは苞葉（ホウヨウ）｝であると、
この春知った、風子でした！