『 風邪退治あじさい色の薬たち 』　2006年6月号

ここしばらく咳が気になっていたものの、たいしたことはなかろうと思っていたら、６月上旬、ノドと頭がひどく痛み、掛かりつけ医院に直行。いつも、にこやかな医師は『あぁ、ノドが赤めだぁ、お熱出るかもね…』と笑顔で言い『熱が出たらお薬飲んでくださいね』と薬を出された。

メモリは３８.７℃…。苦痛で真夜中に目覚め体温を測った。薬を飲み、布団の上に体を預けたが、なんとも不快だ。頭はガンガン、ノドはキリキリ、節々はジリジリと痛み、全身は石にでもなったがごとく"ドド〜ン"と重たい。鼻水もでる。手は使えない私、足で鼻をカムため、体ごと起き上がらないと鼻はカメない。１時間に何回体を起こしたか。そのたびに２００キロにも感じる体重。ツライ、つらい、辛〜い！（センサーで感知し、鼻をカンでくれるロボットアームがこんな時は欲しいと思う）

ティッシュボックスの中身は減っていき、増えるは白きゴミの山。そしてどんどん赤くなった私の鼻。どちらも綺麗ではなく見事だ。皆様にはお見せできないこの姿。ひたすらシンド〜イのだ。なぜこんなに風邪はしんどいのか、なぜ風邪は何度もひくのか、ひかないように気をつけていても"ひく"のはなぜだろう…風邪って何？熱でもうろうとしている頭の中で繰り返されるそんなこと…。酒好きで色気よりも食い気の私だが、この時ばかりは、泡盛も豚の角煮も頭には浮かんでこない。思い浮かぶは麦茶、緑茶、番茶、水、氷、冷凍庫に頭を入れたい！

母が『ガクアジサイ』を買ってきた。薄いピンク色の美しい花だ。風邪薬の色とも似ている。これで癒されるかもしれない、と思い風邪薬を飲み、花を眺めた、がしかし私にはどうしても花びらが三重（さんじゅう）に見えるのだ？？？風邪の熱のせいかしらン？と思い、また布団に潜り込んだ。

翌々日、やっと熱が下がり、あじさい色の風邪薬も終わリ、元の普段の私に戻った。『普段の健康の有り難味』が身にしみて分かる瞬間でもある。平熱のすっきりした頭で眼で見るアジサイは実に美しい。…？あれっ？やっぱり花びらが三重に見えるではないか！　目をパチクリさせ、確かめれば、花びらは本当に三重になっていた。八重（やえ）のガクアジサイだったのか！紫陽花に八重もあることをはじめて知った。

ひとつ学んだ風子でした。
皆々様も風邪にはご注意ください！