『 あこがれと 想い出を きっと もう一度 』 2012年3月号

横浜黄昏〜ホテルの小部屋〜♪などと思いだす曲は何とも昭和だ。何か描いているとき、必ず脳内プレーヤーが起動していることに気がついた。しかも壊れかけのプレーヤーらしく、同じフレーズばかり繰り返し先には進まない。

友達の知り合いの方が住んでいる、横浜のとあるホールで公演することになった。前日に現地入りし、打ち合わせやら、リハーサルやら、なんやかんやと落ち着かない私。見知らぬ土地のためか、胃がきりきりと痛みだした。胃薬飲んでとっとと寝てしまおう。当日、ステージの緞帳がスーッと上がり、詩の朗読をする私を見たお客さんたちはビックリしたのか無表情に私にはみえて、緊張度はすでに限界。(胃のキリキリもMaxっす!)このままお客様に受け入れられなかったらどうしよう、と思ったら舞い上がり過ぎて、90分のステージで自分が何を話したのか曖昧にしか覚えていない。終演後、お客さんに買っていただいた詩集本にサインをするため玄関ホールに行くと『こんなに素晴らしいとは思わなかった』とか『自分はもうトシだけれど元気出たよ』とか、手話で『とっても良かった』など感想を頂いた。受け入れてもらえたのだと思い、胸を撫で下ろした瞬間だった。

宿泊したホテルの窓から夜景が見えた。巨大な観覧車のイルミネーションは時間とともに変化し、虹色の光りたちが無邪気に戯れているようで楽しくなった。その横には半月型の有名なホテル・・・、広がる夜景・・・。これ、絵足紙に出来るだろうか? と、思いつつ、携帯電話の写真におさめる。

5年ほど前、たまには親孝行でもしようかと、母にどこか行きたい所はないかと聞いてみた。「都会が良いね、美味しい中華料理も食べたいね」と返ってきた言葉。そうだった、無類の中華料理好きなのだ母は。ということは横浜しかないだろうと、横浜の地を訪れた、あの時も夜景が綺麗だった。観覧車に乗りたい私と絶対乗りたくない母で軽〜くバトルになるも、結局乗らず。(乗ればもっと景色が楽しめるのに…)あの時食べたフカヒレ入り餡かけラーメンは美味だった。(どこのどれがフカヒレかは皆目判らなかったが…)豚まんも美味かった!

立ち並ぶビル群を見れば、長野なんて田舎だ、と言いそうになる。勿論長野は大好きだが、無いものねだりなのだろうか、“横浜、港町、ベイブリッジ、ランドマークタワー”など、言葉の響きだけであこがれを抱いてしまう。

今回も乗らなかった観覧車、やっぱり乗りた〜い!
赤レンガ倉庫行ってみた〜い、買い物した〜い!
豚まん、はふはふ〜っと食べたい、風子でした!!!