『 がんば蘭バ！！ 』　2011年6月号

６月ですが、５月のこと・・・。
時々、手の指先や足がしびれ、頭痛と首にも痛みがあって耐えられなくなった。とりあえず整形外科で記念撮影ならぬ、首のレントゲン写真をパチリ。
障害者ゆえの頚椎の摩耗から神経が圧迫され、しびれや痛みが出はじめたのは１０年ほど前からだが、昼夜問わずしびれて痛いのは初めてだ。頭痛で吐き気までする。レントゲンの結果「首の骨がズレテいるのは仕方ないんだよな〜」と言う医師、首の数か所に注射された。（注射まで痛いじゃん…）

それにしても頭痛が激しい数日後、念のためにと脳外科に出向いた。脳のＣＴ撮影をしたが、我が身体はかってな動きをするために「押さえても良いですか？誰が押さえても大丈夫ですか？」と聞かれ、「大丈夫です！思いっきり押さえてください、お願いします！」と即答した私。（ん？今笑った？担当医師さんクスッと笑った？私の即答変だったか？）
診察室でＣＴ画像を見ながら「特に異常はありませんでしたよ。これが眼球で、こっちが前、後ろ、左右…、てっぺんと、この先が首のほうです、なにも心配ないですよ」と医師。一瞬頭痛を忘れ、輪切りの脳の断面図に見入ってしまった。自分の脳を初めて見た感想は「目玉ってこんなにデカイのか！」だった。(それにしても脳の中ってゴチャゴチャだな…。)

そんなこんなで、母の日のお祝いは来年に持ち越そうと決め込んでいた時だった。弟がヒョッコリ現れた。胡蝶蘭を抱えて…。驚いた母と私は「ど、どうしたの？」と声をそろえる（「珍しいじゃん！」と言いそうになったがグッと飲み込む）。弟は「だって、母ちゃんの誕生日だろ」と、そっけない言い方で言う。世の中というか人生というか、うまくできているなあ、と感じた。相談したわけでも打ち合わせたわけでもないのに、姉が祝わなければ弟が祝う…。そして何より互いが会えたことが嬉しい母。

弟の携帯が鳴る。会社からだ、弟が指示をだしている模様がうかがわれ、上司と部下に挟まれる年代かもしれないと私は想像する。(その携帯、スマートフォンか？今はやりのあれか？見せろ！)
仕事は嫌いではなさそうな弟、以前は「学がないから上に行かれない」と言っていたが、今は上を目指したい、と言う。良いじゃん！その志！　と、思った。僻まずに腐らずに今の自分をステップアップさせようとしている（カッコいいじゃん！）。『上』に到達したときの誇らしげな弟の顔を見たいなあ、と思い、ワクワクした。

胡蝶蘭を母から取り上げて絵に描く。なぜか、脳内のプレーヤーはサンバのリズムを繰り返す。ガンバランバ、がんばらんば、頑張サンバ、がんば蘭バ！！

頭痛、首痛、しびれ…。次は何を試そうか。リハビリ？整体マッサージ？ハリ治療？リラクゼーション？　私も　がんば蘭バ！！

しまった！　脳のＣＴ写真、プリントアウトしてもらえば良かったな！
頑張っている人も頑張れない人も頑張りたくない人も　がんば蘭バ！！
生きていることが『がんば蘭バ』なことかも、と思う、風子でした！！！